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放影研報告書(RR) 12-00

原爆被爆者における肝細胞癌:C型肝炎ウィルス感染と放射線の有意な相互作用

Sharp GB, 水野照美, Cologne JB, 福原敏行, 藤原佐枝子, 徳岡昭治,馬淵清彦
RR番号 12-00
Int J Cancer 103(4):531-7, 2003
要 約
肝細胞癌(HCC)のリスクに及ぼす放射線とB型肝炎ウィルス(HBV)およびC型肝炎ウィルス(HCV)の同時効果について調査するため、1945年に原爆に被爆した日本人被爆者集団においてコホート内症例対照調査を実施した。1954年から1988年までの期間に剖検を受けた対象者のうち、病理学的に確認されたHCC症例 238件と肝がん以外の疾患により死亡した対照例 894件について保存組織試料を解析した。ロジスティック回帰法を用い、考え得る交絡因子やその他の因子について調整して解析したところ、HCCの発生における原爆放射線とHCVの間に統計的に有意な、かつ高相乗的な相互作用が観察された。HCV陰性の非被曝対象者と比較すると、HCV陽性対象者のHCCに関するオッズ比は、被曝線量がゼロでない対象者の三分位の第二区分(>0.018−0.186Sv、=0.04)および第三区分(>0.186Sv、=0.05)では、肝臓の放射線被曝について統計的に有意な、相乗的増加よりも高い増加を示したが、これは第一区分(>0−0.018Sv、=0.86)では見られなかった。肝硬変を伴わない対象者に限定して解析すると、HCVに感染した対象者では被曝線量1Sv当たりのHCCリスクが 58.0倍に増加し(95%信頼区間:1.99−∞)(=0.017)、放射線とHCVの間に、肝硬変を伴う対象者では観察されなかった高相乗的相互作用が見られた(=0.67)。肝硬変の有無にかかわらず、HCCの発生におけるHBV感染と放射線被曝との相互作用を示す証拠は見られなかった(=0.58)。結論として、広島および長崎の原爆被爆者のうちHCV陽性で被曝線量がゼロでない対象者では、肝硬変を伴わないHCCのリスクが有意にかつ高相乗的に増加した。

John Wiley & Sons, Inc. の許可を得て掲載した。