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放影研報告書(RR) 16-00

日本における肝臓がん罹患率の経時的変化:死亡診断書の不正確性の補正および診断技法の改善

Sharp GB, Cologne JB, 福原敏行, 板倉英世, 山本正美, 徳岡昭治
Int J Cancer 93:751-8, 2001
要 約
原発性肝臓がん(PLC)の罹患率は過去数十年の間に幾つかの地域で、特に日本において劇的に上昇しており、日本では現在PLCががんによる死亡の第3位になっている。PLCは正確に診断することが最も難しい腫瘍の一つである。その理由として、第一に肝臓はがんが転移しやすい部位であること、第二に、PLCによる死亡がしばしば肝硬変または慢性肝炎によるとされることが挙げられる。また、肝臓がんは急速に死に至ることの多い疾患なので、肝臓がん症例の大部分は、臨床記録による確認なしで、死亡診断書のみで確認されている。従って、発表されたこの疾患の罹患率における世界的な差異は、死亡診断書の正確性と診断手法の感受性の両方における地域的な、あるいは国による差異を反映している。死亡診断書に記載されている死因と病理学的検討に基づいた死因を比較することで、これらの誤りを考慮して日本の大規模な集団における1958−1994年の罹患率を補正するこ とができた。死亡診断書の偽陽性誤診断率は減少したが、偽陰性誤診断率は調査期間中ずっと高いままであった。1980年代初めにおける改良された肝臓がん診断手法の日本への導入は、PLC罹患率の急激な上昇に関連していた。死亡診断書に記載されている死因の誤りおよび肝臓がん診断技法の変化が、報告されているこの疾患の罹患率に重要な影響を与えた、というのが我々の結論である。これらの点を考慮すると、日本人の集団における肝細胞癌の罹患率は1960年から1985年で 2.4倍ないし 4.3倍へと上昇し、1993年頃にピークに達し、それ以降は減少した。胆管癌の罹患率は1987年まで安定していた。