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放影研報告書(RR) 4-01

成人T細胞白血病患者由来細胞株におけるT細胞受容体対立遺伝子を欠失した変異クローンの性状

楠 洋一郎, 京泉誠之, 梅木繁子, 平井裕子, MacPhee DG
Br J Haematol 114(2):485-7, 2001
要 約
ヒト成人T細胞白血病ウイルスT型(HTLV-1)感染は、しばしばウイルスDNAのヒトゲノムへの挿入を伴い、その結果、感染細胞にある程度の遺伝的不安定性をもたらす可能性がある。この仮説を調べる目的で、一例の成人T細胞白血病患者から1980年代半ばに樹立され、SH-3と命名された細胞株から、最近になって個別に単離した12個のT細胞受容体(TCR)遺伝子突然変異体を解析した。SH-3から単離されたこれら12個の変異クローンのなかで、9個はTCRαのみを、残りの3個はTCRβのみを細胞質に発現していた。細胞質内 TCRβ蛋白の発現を欠く変異クローンはすべて TCRβ遺伝子とそれに対応する TCRβ mRNAを欠失していた。詳しく調べた12個の変異クローンのうち4クローンにHTLV-1遺伝子の多重組み込みが見られた。したがって以上の結果は、HTLV-1に感染したヒトT細胞では、遺伝子欠失が起こりやすくなり、それに伴って染色体上の遺伝子が不活化されるような遺伝的不安定性が誘導されているという仮説を支持する。