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放影研報告書(RR) 10-01

原爆被爆者の身長に対する放射線の影響:経時的研究

中島栄二, 藤原佐枝子, 船本幸代
Radiat Res 158(3):346-51, 2002
要 約
成人健康調査(AHS)集団における原爆被爆者の20歳以降の身長に対して経時的解析を行った。使用した計測値は、1958年7月から1998年6月(AHS検診サイクル1−20)の期間のものである。対象は、胎内被爆者および原爆投下時に市内にいなかった人を除いた、原爆放射線量の分かっている被爆者である。また、椎体骨折をした人については、骨折発生以降の計測値を解析から除外した。対象者総数は 11,862人、計測値の総数は 109,770で、1人当たりの平均計測値の数は 9.25である。20歳以降の身長はほぼ一定であると仮定して、一つの単純な混合効果モデルを20歳以降の身長に当てはめた。同時に、若年被爆者に対する線形線量効果を性別にモデル化した。1945年に広島で生まれた人の推定平均身長は、男性で 166.0 cm、女性で 155.4 cmであった。性差は 10.6 cmで男性が有意に高い(P<0.001)。都市差は有意ではなかった(P=0.162)。10年当たりの出生コホート効果は、男性で-1.7 cm(P<0.001)、女性で-2.1 cm(P<0.001)であった。放射線被曝による身長の短縮は被爆時年齢19歳以下の男女で見られ(95%信頼区間、17−21歳)、線量効果は女性で大きかった(P=0.028)。被爆時年齢0歳の 1グレイ当たりの推定線量効果は、男性で-1.2 cm、女性で-2.0cmであった。被爆時年齢10歳では、男性で-0.57 cm、および女性で-0.96 cmであった。