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放影研報告書(RR) 11-01

広島・長崎の寿命調査集団における動物性食品摂取と脳卒中死亡率

Sauvaget C, 永野 純, Allen N, Grant EJ, Beral V
Int J Epidemiol 32(4):536-43, 2003
要 約

背景
 日本の大規模な住民コホートにおいて、動物性食品の摂取が脳卒中の死亡リスクの減少と関連しているかどうかを調べる。

方法
 原爆被爆者と非被爆者によって構成される寿命調査集団の対象者で、1979年9月1日に生存していた人に、食習慣に関する質問を含む自己記入式の質問票を郵送した。動物性食品については、牛肉および豚肉、鶏肉、ハムおよびソーセージ、牛乳、乳製品、卵、魚、ならびに焼魚の摂取頻度について尋ねており、40,349人(72%)―男性15,350人(平均年齢54歳)および女性24,999人(平均年齢58歳)―から回答が得られた。対象者には16年間にわたって追跡調査を行い、死亡の確認には戸籍制度を利用した。Cox比例ハザードモデルを用いて、食事と脳卒中による死亡率との関連について検討した。

結果
 追跡調査期間中に1,462件の脳卒中の死亡例が認められた。4種類の動物性食品(卵、乳製品、魚、および焼魚)が、それぞれ脳卒中の死亡リスクの減少に関連していた。一方、牛肉および豚肉、鶏肉、ハムおよびソーセージ、牛乳の摂取は脳卒中による死亡には関連していなかった。卵、乳製品、魚、および焼魚の合成測度を求めたところ、三分位の最高区分は、最低区分と比べて脳卒中による死亡総数と有意な逆の相関関係にあった(ハザード比[HR]=0.80、95%信頼区間[CI]:0.68−0.93)。脳卒中死亡総数における動物性食品摂取の予防効果は、主として脳出血による死亡に限られており、摂取量の最高三分位における脳出血による死亡のRHは、最低三分位と比較すると0.72(95% CI:0.53−0.98)であった。また、動物性食品の摂取は脳梗塞による死亡率とは関連していなかった(HR=0.84、95% CI:0.67−1.06)。

結論
 卵、乳製品ならびに魚などの動物性食品の摂取は、脳出血の予防には効果があるかもしれないが、脳梗塞による死亡率とは関連していない。

Sauvaget C, Nagano J, Allen N, Grant EJ, Beral V: Intake of animal products and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Int J Epidemiol 32(4):536-43, 2003. Copyright (c) 2003 by International Epidemiological Association


要約は出版社(International Epidemiological Association)の許可を得て翻訳した。