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放影研報告書(RR) 12-01

広島・長崎の成人健康調査集団における認知機能調査

山田美智子, 佐々木英夫, 笠置文善, 赤星正純, 三森康世, 児玉和紀, 藤原佐枝子
Radiat Res 158(2):236-40, 2002
要 約
胎内で被曝した原爆被爆者では、中枢神経系への放射線治療を受けた患者で認められるのと同様な神経心理学的機能不全が見られるが、胎内被曝以外の被爆生存者では神経心理学的機能の調査は実施されていない。高線量被爆者では脳卒中の増加が報告されているので、脳卒中の増加に起因して神経心理学的機能不全の有病率が増加するかもしれない。この研究では、成人健康調査集団の成人被爆生存者において放射線被曝の認知機能に対する影響を調査した。研究対象者は1932年9月より前に生まれた男女で、広島では1992−96年の間に、長崎では1993−98年の間に、2年に一度実施されている検診を受けた人である。認知機能スクリーニング検査(CASI)を用いて3,113人の認知機能を評価し、認知機能のスコアと関連要因(性、年齢、被爆時の都市、教育年数、放射線量)との関係について検討した。放射線治療の場合と異なり、原爆放射線被曝では認知機能に関する明らかな影響は認められなかった。認知機能に影響する要因は年齢、性、都市ならびに教育年数であった。原爆被曝が誘発した神経機能不全に関する最終結論に達するまでには、その他の神経機能の調査を含めた、更に詳しい調査が必要である。