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放影研報告書(RR) 5-02

マヤック複合核施設の作業者におけるがん死亡リスク

Shilnikova NS, Preston DL, Ron E, Gilbert ES, Vassilenko EK, Romanov SA, Kuznetsova IS, Sokolnikov ME, Okatenko PV, Kreslov VV, Koshurnikova NA
Radiat Res 159(6):787-98, 2003

要 約
低線量率での長期間にわたる放射線被曝、あるいは幾度かに分割された放射線被曝によるリスクについての直接のデータは、現在主に低累積線量に被曝した集団の調査に限られているが、これらのデータは統計的検出力が低い。我々は、ロシアの核施設作業者における高累積線量(平均 0.8Gy、最高では10Gyを超える)での長期間にわたるγ線の外部全身被曝に関連するがんリスクを評価した。マヤックの複合施設で1948年から1972年の間に働き始めた核施設作業者約21,500人のコホートにおけるがん死亡例について、死亡診断書および剖検報告書を用いて確認し、1997年12月まで追跡調査を行った。過剰相対リスクモデルを用いて、プルトニウム被曝の影響を調整し、γ線の外部被曝に関連する固形がんおよび白血病のリスクを推定した。固形がんおよび白血病の死亡率は共に、γ線量の増加に伴って有意に上昇した(P<0.001)。線量反応線形モデルの下では、肺、肝臓、および骨格のがん(668件の死亡)をひとまとめにした場合の、プルトニウム被曝を調整した過剰相対リスクの推定値は1Gy当たり0.30(P<0.001)で、その他すべての固形がん(1,062件の死亡)に関しては 1Gy当たり0.08(P<0.001)である。固形がんの線量反応関数は、3Gy 未満の線量での過剰リスク推定値が線形モデルから予測される推定値の約2倍であることから考えると、非線形であるように思われる。肺、肝臓、および骨格(主なプルトニウム沈着部位)のがんと、その他の固形がんをまとめた場合のリスク増加は共にプルトニウム被曝と関連していた。白血病では有意な線量反応が見られたが、プルトニウム被曝の影響は認められなかった。白血病の過剰リスクは、線量を受けてからの時間に有意に依存していることが示された。死亡までの3−5年以内に受けた線量に対する 1Gy当たりの過剰相対リスクは約7(P<0.001)と推定されたが、死亡の5−45年前に受けた線量に対してはこのリスクはわずかに0.45(P=0.02)であった。職業上の理由で放射線に被曝した男女から成るこの大規模なコホートにおいて、γ線の外部被曝は、固形がんと白血病のリスクを共に有意に上昇させていた。1Gy未満の線量でのリスクは、原爆被爆者の急性被曝において見られるリスクよりもわずかに低いかもしれない。マヤック作業者の線量推定値が改善されたので、今後このコホートにおいて長期にわたる外部放射線被曝による固形がんおよび白血病のより正確なリスク推定値が得られるようになるだろう。