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放影研報告書(RR) 8-02

cDNA二次元電気泳動法で甲状腺乳頭癌に検出された発現量の増加したヒト副睾丸蛋白質HE-1と発現量の減少したCL-100

浅川順一, 小平美江子, 石川直文, 平井裕子, 長瀧重信, Moatamed F, 菅原正博
Endocrinology 143(11):4422-8, 2002
要 約
cDNA二次元電気泳動法を用いて、甲状腺乳頭癌と正常甲状腺組織における遺伝子発現を解析した。プールした甲状腺組織よりmRNAを抽出した。NotI認識配列を組み込んだアンカープライマーを用いて合成した cDNAを3種の制限酵素、NotI、EcoRV、および PvuIIで消化した。消化した cDNA断片の NotI突出末端を 32P dNTPsでアイソトープ標識し、二次元分離したところ、プローブを用いることなく約500個の cDNA断片が、個別に分離されたスポットとして検出された。甲状腺乳頭癌で正常組織に比べ発現量の増えていたもの9個、発現量の減っていたもの11個、合計20個のスポットについてクローニングを行い、塩基配列を決定した。解析の結果、今まで知られていなかったヒト副睾丸蛋白質1(HE-1)遺伝子発現量の増加とCL-100遺伝子発現量の減少が、甲状腺乳頭癌で発見された。これらの発現量の増減については、ノーザンブロット解析で確認された。HE-1蛋白質抗体を用いて免疫組織化学的染色を行ったところ、甲状腺乳頭癌には多量のHE-1蛋白質が含まれるが、正常甲状腺組織や別種の甲状腺がんではHE-1蛋白質はごく微量であるか、全く認められなかった。HE-1蛋白質は乳頭組織の突起部に局在していたが、これは乳頭形状が作り上げられる上でHE-1蛋白質が関与していることを示唆している。cDNA二次元電気泳動法は、甲状腺乳頭癌での HE-1CL-100の検出例で実証されたように、ヒトの病気で発現量の変化している遺伝子を検出するのに有用な方法の一つであることが示された。

Asakawa J, Kodaira M, Ishikawa N, Hirai Y, Nagataki S, Moatamed F, Sugawara M: Two-dimensional complementary deoxyribonucleic acid electrophoresis revealing up-regulated human epididymal protein-1 and down-regulated CL-100 in thyroid papillary carcinoma. Endocrinology 143(11):4422-4428, 2002. Copyright (c) 2002 by the Endocrine Society

要約は出版社の許可を得て翻訳したが、訳文についてはThe Endocrine Society に責任はない。