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放影研報告書(RR) 10-02

原爆被爆者におけるB型肝炎ウイルス感染の有病率

藤原佐枝子, Sharp GB, Cologne JB, 久住静代, 赤星正純, 児玉和紀, 鈴木 元, 吉澤浩司
Radiat Res 159:780-6, 2003
要 約
この研究の目的は、原爆被爆者において、B型肝炎ウイルス(HBV)保有者有病率が原爆放射線被曝線量と共に増加するか、また、放射線がHBV排除能力に影響を与えているかどうかを検討することである。対象者は、広島・長崎の原爆被爆者から成る成人健康調査受診者6,121人であった。年齢、性、都市、可能性のある交絡因子について調整しても、現在の感染を示すB型肝炎表面抗原(HBs抗原)、感染治癒あるいは現在の感染を示す抗HBc抗体の陽性率は放射線量と共に増加した。しかし、感染治癒を示す抗HBs抗体陽性率と線量との関係は認められなかった。ウイルスを排除できなかった人の割合、すなわち、HBVに感染したことのある人(HBs抗原あるいはHBc抗体あるいはHBs抗体陽性者)におけるHBs抗原陽性者の割合は、輸血を受けた人では線量と共に有意に高くなった。輸血歴を報告しなかった人ではこの割合と線量との関係は認められなかった。この結果は、原爆放射線被曝前に小児期あるいは成人期に感染したかもしれない人よりも、被曝後の成人期にHBVに感染したと考えられる人において、HBV感染後の排除能力が低下している可能性を示唆しているのかもしれない。