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放影研報告書(RR) 14-02

潜在性甲状腺機能低下症における虚血性心疾患と全死亡のリスク

今泉美彩, 赤星正純, 市丸晋一郎, 中島栄二, 飛田あゆみ, 早田みどり, 宇佐俊郎, 芦澤潔人, 横山直方, 前田蓮十, 長瀧重信, 江口勝美
J Clin Endocrinol Metab 89(7):3365-70, 2004
要 約
我々は、潜在性甲状腺機能低下症と動脈硬化性疾患(虚血性心疾患と脳血管疾患)および死亡率との関連を調査した。1984年から1987年にかけて行われた甲状腺疾患スクリーニング調査に参加した 2,856人(平均年齢58.5歳)のうち、 257人の潜在性甲状腺機能低下症(TSH > 5.0 mU/L)と 2,293人の対照者(TSH:0.6−5.0 mU/L)について検討した。ベースラインのcross-sectional studyでは、潜在性甲状腺機能低下症は、年齢、収縮期血圧、肥満指数(BMI)、総コレステロール値、喫煙、赤血球沈降速度、および糖尿病の有無にかかわらず、虚血性心疾患と相関があった(全対象者:オッズ比[OR] 2.5;95%信頼区間[CI] 1.1−5.4、男性のみ:OR 4.0;95%CI 1.4−11.5)が、女性では相関は見られなかった。一方、潜在性甲状腺機能低下症は脳血管疾患とは関係がなかった(全対象者:OR 0.9;95%CI 0.4−2.4)。また、甲状腺自己抗体の存在が潜在性甲状腺機能低下症と虚血性心疾患との関係に影響を与えているという証拠は見られなかった。1998年までの10年間の追跡調査によると、男性の潜在性甲状腺機能低下症では、最初の 3−6年間で全死因による死亡が増加していた(ハザード比1.9−2.1)が、その死因で有意なものはなかった。また女性では全死亡の増加はなかった。我々の調査結果から、潜在性甲状腺機能低下症は虚血性心疾患と関連があり、男性の全死亡の増加に影響しているかもしれないことが示唆された。