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放影研報告書(RR) 22-02

長崎原爆被爆者における放射線の脂肪肝および虚血性心疾患危険因子に及ぼす影響

赤星正純, 尼崎泰子, 早田みどり, 飛田あゆみ, 今泉美彩, 中島栄二, 前田蓮十, 瀬戸信二, 矢野捷介
Hypertens Res 26(12):965-70, 2003

要 約
放射線被曝と虚血性心疾患を結びつける基本的な機序を明らかにする目的で、我々は1990年11月から1992年10月にかけて、1,517人の長崎原爆被爆者(男性575人、女性942人)から超音波所見に基づく脂肪肝のデータを収集し、更に虚血性心疾患危険因子の値を測定した。横断的研究手法を用いて、脂肪肝および虚血性心疾患危険因子に及ぼす放射線量の影響を多変量ロジスティック回帰モデルによって検討した。脂肪肝は、インスリン抵抗性症候群に伴う虚血性心疾患危険因子(肥満、高血圧、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、および糖代謝異常)と関連していた。被曝放射線量は、脂肪肝、低HDLコレステロール血症および高中性脂肪血症とは正の相関を示したが、一方で、肥満、高血圧、高コレステロール血症および糖代謝異常には影響していなかった。これらの結果は、被曝放射線量が1)インスリン抵抗性症候群に伴う虚血性心疾患危険因子の集簇している脂肪肝、および2)動脈硬化を促進する脂質異常に関連していることを示唆しており、これらの関連は放射線被曝と虚血性心疾患を結びつける基本的機序に関与していることが示唆された。