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放影研報告書(RR) 5-03

横断的研究における原因確率推定の不確実性:慢性肝疾患に対する放射線とC型肝炎ウイルスの同時影響

Cologne JB, Pawel DJ, Sharp GB, 藤原佐枝子
J Radiol Prot 24(2):131-45, 2004
要 約

疾患発生における放射線の影響を評価する上で、放射線以外のリスク因子への曝露を考慮することは重要である。原爆被爆者の横断的研究により、慢性肝疾患(慢性肝炎および肝硬変)の発症における放射線の全身被曝と慢性的なC型肝炎ウイルス(HCV)感染との相関が示唆されたが、同時影響の機序については結論できなかった。相加モデルを当てはめるか相乗モデルを当てはめるかによって、HCV感染状況に依存した原因確率(POC)についても異なる推定値が得られる。従って、不確実性が大きいので、相加性と相乗性のいずれかの選択あるいは相互作用の有無の決定を必要としない一般的な混合モデルを用いて、HCV感染状況に依存した放射線リスクを推定した。その結果、HCVに感染していない人ではPOCは放射線量と共に増加するという結論が得られたが、HCV感染者については結論が明確ではなく、HCV感染を伴う場合の放射線に関する推定POCの信頼区間の下限はすべての線量域においてゼロであった。混合モデルは真の同時影響の機序を反映していないかもしれないが、利用可能なデータを用いて検証できないけれどもPOCの推定値に大きな影響を持つような制約モデルを仮定しなくて済む。POCに関する研究では相加モデルと相乗モデルをよく使用するので、この結果はより広い範囲で応用できるかもしれない。従って、疫学調査で同時影響の機序が不明である場合には、POC推定のために特定の機序モデルを想定するよりも、このような経験的手法の方がよいかもしれないと考える。

Cologne JB, Pawel DJ, Sharp GB, Fujiwara S: Uncertainty in estimating probability of causation in a cross-sectional study: Joint effects of radiation and hepatitis-C virus on chronic liver disease. J Radiol Prot 24(2):131-45, 2004. (c) 2004 IOP Publishing Ltd

要約は出版社(Institute of Physics Publishing)の許可を得て翻訳した。