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放影研報告書(RR) 14-03

個体間の不均一性を取り入れた多段階発がんモデル:がん罹患データの解析手法

和泉志津恵, 大瀧 慈
Biom J 49(4):539-50, 2007
要 約
個体間の不均一性を発がん反応へ取り入れるために、多段階発がん揺らぎモデルについて調査した。母集団の不均一性の異なる要因ががん罹患率に与える影響に関して推測することに焦点を当てた。観測できない変動は、発がん物質への曝露や背景因子から生じると考えた。ガンマ分布と逆ガウス分布を揺らぎモデルのために選択し、曝露の影響が、がん罹患率に乗法的に作用する代わりに年齢のスケールをシフトする一般化Armitage-Dollモデル(揺らぎなしのモデル)に基づく基準ハザード関数を用いた。解説のために、その手法を原爆被爆者コホートの固形がんの罹患データに応用し、提案したモデルの幾つかの特徴を調べた。結果として、基準罹患率の不均一性のためのガンマ揺らぎモデルが最もよく適合し、ゼロではない揺らぎの分散が推定された。その他の母数の推定値は、大部分において、ガンマ揺らぎモデルと逆ガウス揺らぎモデルの間で同程度であった。不均一な母集団においては、若年成人期のがん罹患率における曝露の影響は、揺らぎなしのモデルでは過小に推定されているかもしれない。不均一性の各要因に関して有意義な情報が、提案したモデルによってもたらされた。従って、多段階発がん揺らぎモデルによる解析手法は、疫学的ながんデータの解析において母集団の不均一性やそれによって影響される曝露効果を評価する際に役立つと考えられる。

Izumi S, Ohtaki M: Incorporation of inter-individual heterogeneity into the multistage carcinogenesis model: approach to the analysis of cancer incidence data. Biom J. 2007. Vol. 49(4). 539-50. Copyright WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KgaA. 許可を得て掲載。