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放影研報告書(RR) 22-03

原爆被爆者末梢血におけるナイーブCD4およびCD8 T細胞の割合の低下とメモリーCD8 T細胞サブセットの割合の増加

山岡美佳, 楠 洋一郎, 笠置文善, 林 奉権, 中地 敬, 京泉誠之
Radiat Res 161(3):290-8, 2004
要 約
我々はこれまでの調査で、原爆被爆者ではCD45RA+の性状を示すナイーブCD4 T細胞の割合が明らかに線量依存的に低下していることを示してきた。しかしながら、CD8 T細胞集団ではナイーブおよびメモリーサブセットに対してCD45アイソフォームを指標とすることに問題があるため、同様な放射線の影響がCD8 T細胞にも見られるかは不明であった。本研究では、533人の広島原爆被爆者について、CD4ならびにCD8 T細胞集団におけるナイーブおよびメモリーサブセットを、CD45ROとCD62Lを組み合わせることによって明確に同定し測定した。CD4 T細胞集団と同様にCD8 T細胞集団においても、CD45RO-/CD62L+ナイーブ細胞の割合が線量依存的に低下することが統計学的に有意に認められた。更に、CD45RO+/CD62L+およびCD45RO+/CD62L-メモリーT細胞の割合は、CD8 T細胞集団では線量の増加と共に有意に上昇していたが、この傾向はCD4 T細胞集団には認められなかった。以上の成績から、過去の原爆放射線被曝はナイーブCD4およびナイーブCD8の両T細胞集団の長期にわたる減損を誘導し、メモリーCD8 T細胞集団の特定サブセットの拡大をもたらしたと示唆される。