Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 23-03

原爆被爆者における食事要因とがん死亡率

Sauvaget C, 笠置文善, Waldren CA
Mutat Res 551(1-2):145-52, 2004
要 約
果物や野菜などの食事要因により、がんの罹患率および死亡率のリスクは減少すると考えられている。放射線被曝のがんリスクに及ぼす長期的影響に対する、果物および野菜が豊富な食事による拮抗的効果について調べた。その時点で被曝放射線量が推定されていた広島および長崎の原爆被爆者36,228人のコホートについて、1980年に食事評価を実施した。がん死亡率について、この集団を20年間追跡調査した。加法モデル(食事のみの効果と放射線のみの効果の和)および乗法モデル(食事のみの効果と放射線のみの効果の積)を用いて、がんの死亡リスクにおける果物および野菜の摂取と放射線被曝の同時効果を調べた。加法モデルでは、果物と野菜を毎日摂取した場合、1週間に1回以下の摂取に比べ、がんの死亡リスクは13%有意に減少した。1Svの放射線被曝により、がんの死亡リスクは48−49%有意に増加した。加法的同時効果により、1Svの放射線を受けた被爆者におけるがんリスクは、野菜が豊富な食事をしている人(49%−13%=36%)および果物が豊富な食事をしている人(48%−13%=35%)で減少した。乗法モデルでも同様の結果が得られた。被爆者におけるがんリスクは、野菜の摂取により52%(放射線のみの効果)から32%(野菜と放射線の効果の積)に減少し、果物の摂取により52%(放射線のみの効果)から34%(果物と放射線の効果の積)に減少した。加法モデル、乗法モデルのいずれについても否定する有意な証拠は見られなかった。果物および野菜を毎日摂取することは、被爆者におけるがんの死亡リスクの軽減に有効であった。

Mutation Research, Vol 551, Sauvaget C, Kasagi F, Waldren CA, Dietary factors and cancer mortality among atomic-bomb survivors, pp 145-52, Copyright (2004), Elsevier Scienceの許可を得て掲載。
Mutation Researchホームページ