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放影研報告書(RR) 5-04

がん感受性との関連における体細胞遺伝子変異性の個人差:原爆被爆者の赤血球グリコフォリンA遺伝子突然変異の前向き調査

京泉誠之、楠 洋一郎、林 奉権、箱田雅之、Cologne JB、中地 敬
Cancer Res 65(12):5462-9, 2005
要 約
以前我々は、赤血球グリコフォリンA(GPA)遺伝子座ヘテロ接合性の原爆被爆者におけるヘミ接合性突然変異体頻度(Mf)が放射線量と共に上昇することを報告した。本研究では、1988年から1996年の間にGPA Mfを測定した、がん既往歴のない対象者に新たに発生したがんを用いて、GPA Mfとがんリスクとの関係を解析した。GPA Mfを測定した1,723人(広島1,117人、長崎606人)の原爆被爆者において、2000年末までに186人に最初のがん発生を同定した。年齢、性、都市を調整因子とした多変量回帰分析により、線形二次関数モデルを用いて、がんグループと非がんグループのGPA Mfの線量効果を比較した。広島の対象者において、GPA Mfの線量効果曲線の傾きは、がんグループの方が非がんグループよりも有意に大きかった。更に、両市とも非被曝対照群では、がんグループと非がんグループのGPA Mfの間に有意差はなかった。同じ結論が、線形線量効果モデルや事象−時間(Cox回帰)分析を用いた解析でも得られた。これらの知見は、放射線被曝後の体細胞遺伝子の変異性には個人差が存在するかもしれないこと、また広島の被爆者でより高い変異性を有する人には放射線に関連したがんがより高い確率で発生すると予想されることを示唆している。

The American Association for Cancer Research, Inc. の許可を得て掲載。