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放影研報告書(RR) 2-05

原爆被爆者における動脈硬化との関連が示唆される微生物に対する抗体レベルとC反応性蛋白質レベル

箱田雅之, 笠置文善, 楠 洋一郎, 松浦信介, 林 奉権, 京泉誠之, 赤星正純, 鈴木 元, 児玉和紀, 藤原佐枝子
Radiat Res 166(2):360-6, 2006
要 約
原爆被爆者において心血管疾患の増加が示唆されているが、放射線被曝と動脈硬化との因果関係は不明である。最近、クラミジア・ニューモニエ、ヘリコバクター・ピロリ、サイトメガロウイルスなどの微生物感染が、動脈硬化と関連していることが示唆されている。被爆者においては免疫機能がわずかに低下していることから、微生物感染に対する免疫防御も低下しているかもしれない。このような可能性を検討するため、上記の微生物に対する被爆者の血清中の抗体レベルを測定した。クラミジア・ニューモニエに対する抗体レベルは、IgGおよびIgAで共に被曝線量に伴い有意に低下していた。一方、ヘリコバクター・ピロリおよびサイトメガロウイルスに対するIgG抗体レベルには、被曝線量による変化は見られなかった。炎症マーカーであるC反応性蛋白質は、高線量(≥1,000 mGy)被爆者でのみ、クラミジア・ニューモニエに対する抗体レベルとの間に有意な正の相関を有していた。これらの結果より、原爆被爆者においてはクラミジア・ニューモニエに対する免疫応答が低下しており、クラミジア・ニューモニエ感染に関連した慢性炎症反応が存在することが示唆された。