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放影研報告書(RR) 4-05

原爆被爆者における卵巣の悪性腫瘍および良性腫瘍の病理学的研究:症例集報告

井内康輝, 清水由紀子, 河合紀生子, 徳永正義, 早田みどり, 馬淵清彦, Land CE, 徳岡昭治
J Radiat Res 47(1):49-59, 2006
要 約
本報告は、放射線影響研究所の寿命調査(LSS)集団における原発性卵巣腫瘍発生例についての症例集報告であり、症例の確認方法および組織型の特徴について記述した。

LSS集団の女性約7万人中、648人に 723例の卵巣腫瘍(悪性腫瘍260例、良性腫瘍463例)が確認され、648人中71人が複数の腫瘍を持っていた。601症例(悪性腫瘍182例、良性腫瘍419例)は本報告書の研究者によって組織学的に確認された。最も頻度の高い組織型は、悪性、良性腫瘍ともに、表層上皮性腫瘍(悪性腫瘍では90.7%、良性腫瘍では59.7%)であった。この組織型分布は他の調査と同様であった。悪性腫瘍では、表層上皮性腫瘍の全悪性腫瘍に対する相対的頻度は被曝線量に比例して増加していた(p = 0.02)。良性腫瘍については、性索間細胞性腫瘍の全良性腫瘍に対する相対的頻度が放射線量と共に増加していた(p = 0.04)。悪性腫瘍の粘液性腫瘍は漿液性腫瘍より予後が良好であった(p = 0.03)。同じ組織型の腫瘍では、被曝放射線量による生存率の差は認められなかった。本症例集報告では、放射線量によって卵巣腫瘍の組織型分布が異なることが示唆されたが、集団を基盤とする発生率解析による更に詳しい調査が必要である。