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放影研報告書(RR) 9-05

原爆被爆者のがんリスク推定における調査集団選択による偏り

Pierce DA, Vaeth M, 清水由紀子
Radiat Res 167(6):735-41, 2007
要 約
被爆生存者をコホートに選択したことにより原爆被爆者のがんリスク推定に偏りが生じたかどうかを検討する。この論文では、データから得られる関連した情報と基本理論の両方を検討している。データからの最も直接的な情報は、特異的な選択を減らすため、また単に選択の規模を小さくするために線量−距離の範囲に様々な制限を加えることで得られている。これらの解析により、重大な偏りはないことが示唆されているが、決定的ではない。理論的検討として、選択の結果どのようにして偏りが生じるかを通常より明確に述べている。これには急性影響を生き抜く能力における非均一性、バックグラウンドがん罹患率と放射線誘発がん罹患率における非均一性、更に最も重要な要素として、生存に関連する非均一性とがんに関連する非均一性との相関が含まれている。この後、単純化されたモデルを用いて、これらの非均一性の程度および相関の程度の推定値として偏りの度合いを数量化する。これらの値が非常に大きくなければ大きな偏りは出ないことが示唆されている。以上のすべての検討に基づくと、がんリスク推定における偏りは、原爆被爆者において観察される事象から一般化する際の他の不確実性に比べて大きいようには見えない。具体的には相対リスクの偏りは0.05-0.07にも満たないと考えられる。固形がんでは、これは1 Svでの過剰相対リスクにおける最大15-20%の偏りに相当するだろう。