Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 12-05

高齢者収縮期高血圧症患者の血圧トレンドと予後に関する縦断的研究

瀬戸信二, 早田みどり, 中島栄二, 矢野捷介 ,赤星正純
Am J Hypertens 20(2):134-9, 2007
要 約
背景
 加齢と共に高齢者の多くで収縮期高血圧症が見られる。しかし、縦断的検討があまりなされていないこともあり、高齢者における収縮期高血圧症の罹患率や予後についてはいまだ不明の点が多い。この研究の目的は、高齢者収縮期高血圧症の発症における血圧トレンドを確認し、その罹患率や予後について調査することである。

方法 1958−1984年の情報に基づき、3,284例について後ろ向きに縦断的な検討を行った。高齢者収縮期高血圧症は、60歳以上で収縮期160 mmHg以上、拡張期90 mmHg以下の血圧値を示すものと定義した。その予後を2002年まで追跡調査し、年齢・性をマッチさせた収縮期高血圧症でない対照群と比較した。

結果 高齢者収縮期高血圧症を発症したのは計185例で、発症までの血圧トレンドから、「新規発症型」71例、「燃え尽き型」68例、「分類不能型」46例の3群に分類された。罹患率は年齢と共に増加を示し、発症年齢は平均71.0歳であった。一方、生命的予後は良好で、症例の83.2%および対照の76.2%が80歳以上まで生存していた。しかし、高齢者収縮期高血圧症例の58.9%が追跡調査期間中に心臓血管疾患を合併しており、対照群(42.2%)よりも高頻度であった(P = 0.0013)。中でも収縮期高血圧症例では、心臓血管疾患の40%以上が80歳以上で発症していた。

結論 収縮期高血圧症の罹患率は年齢と共に増加を示した。多くの高齢者収縮期高血圧症患者は長命であるという点で予後は良好であるが、多くが高齢における心臓血管疾患合併症を発症しているので、超高齢者においても積極的な降圧治療が必要と考えられた。

Am J Hypertens 2007; 20:134-9, Seto S, Soda M, Nakashima E, Yano K, Akahoshi M, Longitudinal analysis of blood pressure trends and prognosis in isolated systolic hypertension in elderly individuals, © 2007 by the American Journal of Hypertension, Ltd. Elsevierの許可を得て掲載。