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放影研報告書(RR) 15-05

原爆被爆者の放射線誘発がんリスクにおける時間と年齢による影響修飾の推定について

Lagarde F
Health Phys 91(6):608-18, 2006
要 約
追跡調査データに基づいて放射線リスクを評価する場合、がんの過剰相対率の推定には、被曝時年齢、被曝後経過時間および到達年齢など、時間に関連した因子による影響修飾について評価する必要がある。上記変数には共線性があるため、放射線に関係した過剰相対率の時間・年齢因子による影響修飾を測定すると考えられている回帰係数は、一般的には上記因子の個々の影響とは異なっている。例えば、被曝時年齢/到達年齢に基づく影響修飾モデルか、あるいは被曝時年齢/被曝後経過時間モデルのいずれを用いるかにより、被曝時年齢の変化によりもたらされる1 Gy当たりの過剰相対率への影響に関する回帰係数は、研究の目的にとって重要な被曝時年齢の変化が個別に及ぼす影響よりもむしろ、被曝時年齢と被曝後経過時間の両方、あるいは被曝時年齢と到達年齢の両方における変化の共同効果を、それぞれ評価することになる。放射線被曝集団のコホート研究においては、時間にかかわるリスク修飾の推定について報告や解釈を行う場合には、このような洞察を含めることが望ましい。本報では、原爆被爆者の寿命調査におけるがん罹患率データを実例として用いて、理論を説明する。要約すると、原爆被爆者やその他のコホート研究において、被曝後経過時間、被曝時年齢、到達年齢が放射線誘発がんリスクに及ぼす影響に関するモデル係数は、共同効果を推定するものである(推定可能な共同効果が詳述される)。影響修飾に関する調査結果は適切かつ明確な方法で記述すべきであると考える。適合度は、最も重要な影響修飾因子の選別には信頼がおけないと考えられる。それは例えば、影響修飾因子のうち1因子のみを考慮するモデルは、他の2因子を含めるモデルと、実際には後者のモデルのみが影響修飾に関与する場合にも、同様の適合を示す可能性があるからである。また、これらの影響修飾変数間には共線性があるので、影響修飾因子のうち二つを含む3モデルはすべて必然的に同様の適合を示すことになる。