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放影研報告書(RR) 1-06

原爆被爆者における術後白内障症例:放射線量反応および閾値

錬石和男, 中島栄二, 皆本 敦, 藤原佐枝子, 赤星正純, 三嶋 弘, 北岡 隆, Shore RE
Radiat Res 168(4):404-8, 2007
要 約
最近、視覚障害を来す放射線誘発白内障発生に高い閾値線量が存在するとの考えに反する知見が得られている。我々は、術後白内障症例479人を含む、2000年から2002年に健康診断を受けた推定線量の判明している原爆被爆者3,761人を対象に、線量反応を推定するためロジスティック回帰解析を行い、最適閾値モデルを決定するために尤度プロファイル法を用いた。解析の結果、術後白内障の有病率に統計的に有意な線量反応増加が認められたが(1 Gy当たりのオッズ比 1.39、95%信頼区間 1.24-1.55)、線量反応に上方湾曲の傾向は認められなかった。線量を0-1 Gyに限定すると線量反応は示唆的となり、有意ではない閾値0.1 Gy(95%信頼区間 <0-0.8)が認められた。原爆被爆者における術後白内障の有病率は原爆放射線量の増加と共に有意に増加した。術後白内障有病率の閾値推定線量(0.1 Gy)と上限(0.8 Gy)は、放射線防護関係者により通常推測されている閾値2-5 Gyよりかなり低く、全く閾値がないという考えとも統計学的には矛盾しなかった。