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放影研報告書(RR) 7-06

新線量推定方式DS02の導入に伴う原爆被爆者線量推定の変化

Cullings HM, Levenson ZB, 船本幸代, 寺西幸子
Jpn J Health Phys 41(4):261-71, 2006
要 約
1987年から1990年代の終わりにかけて、広島の原爆放射線に被曝した物質の熱中性子放射化測定値がDS86の線量推定値とは異なる距離傾向を示唆したため、DS86の正確さが疑問視された。その結果、日米合同実務研究者ワーキンググループが設置され、DS86を改良した線量推定方式DS02が作成された。DS02では最新の手法と入力データを用いてソースタームと放射線輸送の両方が再計算され、広島原爆について新たな推定値が設定されたが(爆発出力:15 kt → 16 kt、爆発高度:580 m → 600 m)、長崎原爆についてこのような変更はない。DS02を作成した研究者たちは、従来の全カテゴリーと新たな二つのカテゴリーについて新測定値を評価し、分割試料の相互比較測定を行い、中性子の不一致の問題を解決した。DS02の空気中ガンマカーマは、被爆生存者のほぼ全員がいた1 km以遠でDS86より約10%大きくなった。広島の中性子カーマは1 km地点でDS86より約10%大きく、2.5 km地点でDS86より15%小さいが、長崎ではすべての距離でDS86より15%以上小さくなった。DS02の中性子は、両市でDS86より概してエネルギーが小さく、その結果、特に深部の臓器について、体の自己遮蔽による透過率がわずかに減少した。遮蔽モジュールもDS02のために更新され、何人かの被爆者に関してはかなり大きな遮蔽推定値の変更となったが、平均するとほとんど変更はない。例外は、長崎の2 km以遠の多数の被爆者に対する金毘羅山の遮蔽の影響である。距離に対する代表的な臓器線量と遮蔽カーマの平均的な変化が見直され、最後に、地理情報処理システム(GIS)のようなツールを用いて放射線影響研究所(放影研)における線量推定を改良する計画が議論された。