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放影研報告書(RR) 12-06

ヘリコバクター・ピロリ菌のCagAに対する低陽性抗体価はヘリコバクター・ピロリ菌CagAやヘリコバクター・ピロリ菌に対する単純な血清反応陽性よりも将来の胃がんを予測する

鈴木 元, Cullings HM, 藤原佐枝子, 服部信昭, 松浦信介, 箱田雅之, 赤星正純, 児玉和紀, 田原榮一
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 16(6):1224-8, 2007
要 約
背景 ヘリコバクター・ピロリ菌のCagAに対するIgG抗体価が、将来の非噴門部胃がんのリスク要因となるか否かを検討する。

方法 原爆被爆者の縦断的研究コホートにおいて、診断前(平均2.3年前)の保存血清を用いてコホート内症例対照研究を行った。299人のがん症例と、これらの症例と年齢、性、都市、血清保存期間、血清保存法をマッチさせ、放射線量に関してはカウンター・マッチング法を用いて、症例当たり3人の対照者をコホートから選んだ。

結果 CagA IgG低抗体価を伴うH.ピロリ菌IgG抗体の血清反応陽性(相対リスク[RR] 3.9、95%信頼区間[CI] 2.1-7.0、P < 0.001)は、他のリスク因子、すなわちCagA IgG抗体陰性を伴うH.ピロリ菌IgG抗体血清反応陽性(RR 2.2、95% CI 1.3-3.9、P = 0.0052)、CagA IgG高抗体価を伴うH.ピロリ菌IgG抗体血清反応陽性(RR 2.0、95% CI 1.3-3.2、P = 0.0022)、慢性萎縮性胃炎(RR 2.4、95% CI 1.8-3.3、P < 0.001)、現在の喫煙(RR 2.3、95% CI 1.4-3.5、P < 0.001)、あるいは放射線量(RR 2.1、95% CI 1.2-3.1、P = 0.00193)に比べ、非噴門部の胃がん、特に腸型の腫瘍(RR 9.9、95% CI 3.5-27.4、P < 0.001)の最も強力なリスク因子であった。現在の喫煙は、腸型の腫瘍よりもびまん型腫瘍において有意に高いリスクを示した(P = 0.0372)。放射線のリスクは、非喫煙者、非噴門部のすべての胃がん、およびびまん型胃がんにおいてのみ有意であった。

結論 CagA IgG低抗体価は、高リスクグループを同定する上で有用なバイオマーカーであり、また宿主病原体相互作用を理解する手がかりともなる。

The American Association for Cancer Research, Inc. の許可を得て掲載。