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放影研報告書(RR) 13-07

胎内原爆被爆者の甲状腺疾患

今泉美彩, 芦澤潔人, 錬石和男, 赤星正純, 中島栄二, 宇佐俊郎, 富永 丹, 飛田あゆみ, 世羅至子, 早田みどり, 藤原佐枝子, 山田美智子, 前田蓮十, 長瀧重信, 江口勝美
J Clin Endocrinol Metab 93(5):1641-8, 2008
要 約
目的 本研究の目的は、胎内原爆被爆者における甲状腺疾患と放射線量の関係について検討することである。

形式 横断的研究である。

設定 本研究は、日本の広島・長崎における原爆被爆者を対象に実施した。

対象者 放射線影響研究所において、甲状腺研究に参加した胎内原爆被爆者328人(平均年齢55.2歳、男性162人)である。検査は2000年3月から2003年2月に実施した。

主要検討項目 種々の甲状腺疾患と原爆放射線量の関係を検討した。

結果 被曝線量が不明の9人を除いた319人において平均母体子宮線量は0.256 Gyであった。充実性甲状腺結節の有病率に有意な線量反応関係は認められなかったが(1 Gy当たりのオッズ比2.78、95%信頼区間 0.50-11.80、P = 0.22)、そのリスク推定値は小児被曝の推定値と同等であった。のう胞や自己免疫性甲状腺疾患の有病率は放射線量と関連がなかった(P > 0.30)。悪性腫瘍と良性結節の線量反応関係は症例が少なく検討できなかった。

結論 胎内被曝から55-58年後の甲状腺結節や自己免疫性甲状腺疾患において、統計的に有意な線形線量反応関係は認められなかった。しかし、充実性甲状腺結節のリスク推定値は胎内被爆者と小児被爆者で同等であった。本研究は軽度の放射線の効果を見るには統計的検出力に制約があるため、確定的な結論を出すには更なる研究が必要である。