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放影研報告書(RR) 15-07

胎内原爆被爆者および幼児期原爆被爆者における固形がん罹患率

Preston DL, Cullings HM, 陶山昭彦, 船本幸代, 西 信雄, 早田みどり, 馬淵清彦, 児玉和紀, 笠置文善, Shore RE
J Natl Cancer Inst 100(6):428-36, 2008
要 約
背景 胎児の放射線被曝により小児がんリスクが増加することは知られており、また小児期の被曝は成人期のがんリスクの増加に関係がある。しかし、胎児の放射線被曝が成人期のがんリスクを増加させるか否かについてはほとんど分かっていない。

方法 広島・長崎の胎内被爆者(n = 2,452)および原爆投下時に6歳未満であった幼児期被爆者(n = 15,388)における固形がん罹患率を調べた。ポアソン回帰法により、これらの被爆者における12-55歳時の第一原発固形がんについて、放射線が関与する過剰リスクの数値と経時パターンを推定し、比較した。統計解析はすべて両側検定で行った。

結果 対象となるがんが、胎内被爆者群では94例、幼児期被爆者群では649例あった。過剰相対リスク(ERR)は、胎内被爆者(50歳時のERR/Sv = 1.0、1 Svでの95%信頼区間[CI]: 0.2-2.3)と幼児期被爆者(50歳時のERR/Sv = 1.7、1 Svでの95% CI: 1.1-2.5)の両群で線量と共に増加した。ERRは、両群を合わせたコホートにおいて到達年齢と共に減少した(P = 0.046)。過剰絶対リスク(EAR)は、幼児期被爆者群では到達年齢と共に著しく増加したが、胎内被爆者群では年齢に伴う変化はほとんど見られなかった。50歳時の10,000人年当たり、1 Sv当たりの推定EARは、胎内被爆者群で6.8(95% CI: <0-49)、幼児期被爆者群では56(95% CI: 36-79)であった。

結論 胎内被爆者群および幼児期被爆者群ともに、固形がん罹患率は線量に伴い統計的に有意な増加を示した。二つの群のEAR値には大きな差があり、胎内被曝後の生涯リスクは幼児期被曝に比べ大幅に低い可能性が示唆されるが、更に追跡調査が必要である。

Oxford University Pressの許可を得て掲載。