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放影研報告書(RR) 6-08

リスク評価における過剰症例数の予測

古川恭治, Cologne JB, 清水由紀子, Ross NP
Risk Anal 29(6):885-99, 2009
要 約
リスク解析では、一般に、「過剰」症例数、すなわち、リスク因子への曝露に関連する疾病あるいは死亡の数によって調査対象集団のリスクの特徴付けを行う。過剰症例数は、単に調査対象集団におけるリスク因子の影響の大きさを示すだけでなく、リスクの多面的な評価(例えば、年齢−暦年などの影響の傾向や感受性の強い部分集団の特定など)を行うためにも重要な決定因子である。過剰症例数を十分に確保するためには、調査集団の人数はどのくらい必要か、あるいは、どのくらい長く集団を追跡する必要があるか、などを推定することが大切で、そのためには、将来のリスクを予測することが必要となる。本研究では、影響修飾を含む過剰リスクモデルに焦点を当て、過剰症例数の期待値を予測し、それらの予測値の不確実性を評価する方法を記述する。この方法では、過剰リスクと曝露年齢および到達年齢などによる影響修飾を含む発生率予測のために、ベイズAPC(年齢−暦年−出生年)モデルを拡張する。そして、放射線被曝の長期的健康影響調査や放射線防護目的のリスク評価への主要な礎となっている原爆被爆者の追跡調査データにこの手法を適用する。更に、評価用データを基にクロスバリデーションによって予測能力を評価してモデル選択を行い、選択されたモデルによって、原爆被爆者集団におけるがんとがん以外の疾病による放射線被曝と関連した過剰死亡数、ならびに、生涯リスク値(放射線誘発死亡リスク[REID]と寿命損失[LLE])の予測を行う。

要約は出版社(Wiley-Blackwell Publishing Ltd.)の許可を得て翻訳した。