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放影研報告書(RR) 9-09

原爆被爆者の子どもにおいて、マイクロサテライト遺伝子座での放射線による突然変異率上昇の証拠はない

小平美江子, 梁 治子, 鎌田直子, 古川恭治, 高橋規郎, 中島裕夫, 野村大成, 中村 典
Radiat Res 173(2):205-13, 2010
要 約
原爆放射線の遺伝的影響を評価するため、原爆被爆者の家族(両親と子ども、ほとんどの家族は片方の親のみが被爆者)を対象として、40のマイクロサテライト遺伝子座の突然変異を検索した。被曝群家族には、平均被曝線量が1.87 Gyの父親、1.27 Gyの母親を持つ66人の子どもが含まれており、対照群の家族には、低線量(<0.01 Gy)に被曝したか、または原爆投下時に広島・長崎にいなかった親を持つ子ども63人が含まれている。

今回の調査で、被曝した親に由来するマイクロサテライトのアリールにおいて7例(7/2,789、突然変異率 0.25 × 10-2/locus/generation)、被曝線量が低い(または被曝していない)親に由来するアリールにおいて26例(26/7,465、0.35 × 10-2/locus/generation)の突然変異が観察されたが、この結果は親の被曝による影響を示唆するものではなかった。また、被曝群家族において、どちらの親に由来するのか決められなかった突然変異が4例あったが、もしもこの全例が被曝した親に由来すると仮定した場合でも、平均突然変異率は被曝アリールにおいて0.39 × 10-2 [(7 + 4)/2,789]、対照群アリールにおいて0.35 × 10-2となり、被曝群における平均突然変異率が若干高くなるものの、その差は統計的に有意ではなく、やはり親の被曝による影響は示唆されなかった。