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放影研報告書(RR) 5-93

試験管内X線照射によるBCR-ABL融合遺伝子の誘発

伊藤 敬,瀬山敏雄,水野照美,林 奉権,Iwamoto KS,土肥雪彦,中村 典,秋山實利
Jpn J Cancer Res 84:105-9, 1993
要 約
フィラデルフィア染色体は、染色体9q34のABL癌遺伝子と染色体 22q11のBCR遺伝子との相互転座からなり、慢性骨髄性白血病(CML)特有のキメラBCR-ABL mRNAsが発現する。融合遺伝子の存在は、逆転写法およびポリメラーゼ鎖反応法により、高い特異性および高感度をもって検出できる。この技法を用いて、100Gyの試験管内X線照射後に、HL60細胞に誘発されたBCR-ABL融合遺伝子を検出できた。調べた 108個の細胞中に合計5個の融合遺伝子の転写産物を検出することができた。融合遺伝子の中にはCML特有のBCR-ABL配列だけでなく、その他の種類のBCR-ABL融合遺伝子も含まれていた。後者の中には、起源の不明なDNA断片が中間に挿入されたBCRエクソン4/ABLエクソン2の接合遺伝子、BCRエクソン5/ABLエクソン2、およびBCRエクソン4/ABLエクソン2の接合遺伝子があった。これらの結果は、X線照射によりBCR-ABL融合遺伝子が誘発されることを示す直接的な証拠であるように考えられる。白血病発生は、一定のCML関連BCR-ABL融合遺伝子を持つ細胞のみが、その生体内での特別な増殖力によって選択的に残ることによるということが示唆される。