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放影研報告書(RR) 9-93

広島胎内被爆者体細胞における染色体異数性について

大瀧一夫,Sposto R,児玉喜明,中野美満子,阿波章夫
Mutat Res 316:49-58, 1994
要 約
放影研成人健康調査集団に属する原爆胎内被爆者のリンパ球培養による細胞遺伝学的調査の一環として、染色体異数性細胞の頻度をG-バンド法を用いて分析した。本調査は1985年から1987年に採血された264人の広島胎内被爆者を対象者として行われた。いずれも母親の子宮に対するDS86推定線量が得られている例である。中性子の生物学的効果比(RBE)を10とした場合、推定線量0.005Sv以上の近距離被爆群124人(男性74人、女性50人)と、0Svの遠距離被爆群140人(男性76人、女性64人)からなる。

染色体異数性の主な特徴は、(1)常染色体については、おおむね染色体の長さに反比例した。つまり、染色体が短くなればなるほど長い染色体に比べて、異数性頻度が有意に高頻度となった。(2)低二倍異数体頻度は高二倍体頻度よりも、およそ5倍高かった。(3)特記すべきことは、21番染色体とXおよびYの性染色体の異数性は、染色体長から得られた期待値よりもはるかに高頻度であった。X染色体に関する異数性頻度は女性の方が男性よりも有意に高かった。この被爆後40年を経過した広島胎内被爆者に関する調査結果からは、異数性頻度には線量依存性が認められなかった。