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放影研報告書(RR) 21-93

ヒトホスホグルコムターゼ1対立遺伝子における遺伝子内交叉:予報の実現

高橋規郎,Neel JV
Proc Natl Acad Sci USA 90:10725-9, 1993
要 約
1982年、ホスホグルコムターゼ1(PGM1)の8種の対立遺伝子が、primal alleleにおける3個の独立した突然変異と、それに続いて生じたこれらの突然変異を含む4個の遺伝子間交叉に起因するという系統樹を提出した。[Takahashi N, Neel JV, Satoh C, Nishizaki J, & Masunari N (1982) Proc Natl Acad Sci USA 79, 6636−6640]この遺伝子座についてのcDNAプローブの最近の報告[Whitehouse DB, Putt W, Lovegrove JU, Morrison K, Hollyoake M, Fox MF, Hopkinson DA, & Edwards YH (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89, 411−415]は、この系統樹の妥当性を検証する可能性を与えた。8種の異なる電気泳動的に決定された対立遺伝子(PGM1*1+、PGM1*1-、PGM1*2+、PGM1*2-、PGM1*3+、PGM1*3-、PGM1*7+、PGM1*7-)を有する日本人から精製された mRNAから逆転写された PGM1の cDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、その配列が決定された。PGM1*1+を参照対立遺伝子とすると、3種類のみの異なる塩基置換が同定された。それは以下のようなものである。265残基における Aから Tへのトランスバージョン、723残基における Cから Tへのトランジッション、1320残基におけるTからCへのトランジッションである。これらの置換のうち、第2番目はBglII制限酵素部位を、また3番目はNlaIII部位を生じた。アミノ酸レベルでは、これらの置換は、それぞれ67位のアミノ酸を Lysから Metへ、220位のアミノ酸を Argから Cysへ、419位のアミノ酸をTyrからHisに変化させた。これらの突然変異は、PGM1*7+、PGM1*2+およびPGM1*1-の対立遺伝子のそれぞれの顕著な特徴である電気泳動的性質を結果として示した。その後に起こった遺伝子間交叉が、結果として残り4種の対立遺伝子をもたらした。これらの後者2種の対立遺伝子(PGM1*7-およびPGM1*3-)については、1種以上の遺伝子内交叉が対立遺伝子を作製する。この発見は、予報された系統樹を立証すると共に、遺伝子座における複雑な展開について一つの研究事例を提供するものである。