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放影研報告書(RR) 1-94

原爆被爆者の剖検例における甲状腺疾患の有病率,広島,1951-85年

吉本泰彦,江崎治夫,江藤良三,平岡敬生,秋葉澄伯
Radiat Res 141:278-86, 1995
要 約
潜在性甲状腺癌、甲状腺腺腫、コロイド型/類腺腫型甲状腺腫および慢性甲状腺炎の放射線誘発リスクを調べるために、1951年から1985年までに広島の原爆被爆者に対して行われた剖検により放影研が入手した3,821例に関するデータをロジスティック・モデルを使って解析した。

これらの剖検例のうち約80%については放影研で剖検が行われ、その他は地元の病院で行われた。上記疾患の頻度は、原死因が癌か否かには関連していなかった。しかし、われわれの調査の結果は、剖検例の選択の偏りに影響されているかもしれないということを留意しておかなければならない。潜在性甲状腺癌(最大寸法が 1.5cm以下であるが、通常の甲状腺顕微鏡検査で検出可能なもの)の相対頻度は放射線量の増加と共に増え、1Gyでは線量ゼロ群の約1.4倍である。また、放射線量の増加に伴う甲状腺腺腫の相対頻度も有意に増加し、1Gyでは線量ゼロ群の約1.5倍である。性、被爆時年齢、あるいは観察期間が甲状腺腺腫と潜在性甲状腺癌の放射線誘発リスクを有意に修飾することはなかった。放射線被曝とコロイド型/類腺腫型甲状腺腫および慢性甲状腺炎の頻度との間に統計的に有意な関連性は認められなかった。良性甲状腺疾患の頻度に対する原爆放射線の後影響の可能性について、これらのデータを基に考察を加える。