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放影研報告書(RR) 6-94

ブルーム症候群患者由来Tリンパ球における自然体細胞組み換え率の上昇−HLA-A遺伝子座フローサイトメトリー法を用いて

楠 洋一郎,林 奉権,平井裕子,久代淳一,巽 紘一,栗原孝行,Zghal M,Kamoun MR,武部 啓,Jeffreys A,中村 典,秋山實利
Jpn J Cancer Res 85:610-8, 1994
要 約
ブルーム症候群(BS)は常染色体劣性の遺伝病で発癌率が高く、遺伝的に高度の不安定性を示す。姉妹染色分体交換の頻度は正常の場合と比べて10倍も亢進しているのが特徴である。相称4腕型染色分体交換はBS患者の末梢血リンパ球にしばしば認められ、体細胞組み換え頻度の亢進を示唆している。本研究では、培養したTリンパ球についてフローサイトメトリー法を用いた彷徨試験により HLA-A 対立遺伝子発現喪失の自然発生率を推定したところ、BS患者由来のリンパ球では健常人由来のリンパ球と比べて10倍以上も高いことが分かった。分子レベルおよび染色体の分析によると、患者由来の13個の独立した変異体は体細胞組み換えに起因する可能性が極めて高いと考えられた。更に、近接の HLA-DQA1 遺伝子座についてヘテロ接合性喪失度を調べたところ、BS患者でも健常人でも、実に半数以上の体細胞組み換えにおいてヘテロ接合性が保持されていることが分かった。この結果は、HLA領域は体細胞組み換えのホットスポットであり、また、BS細胞における体細胞組み換え率の上昇は、通常部位における全般的な頻度上昇によるもので、ランダムに組み換えの異常部位が作られるためではないことを示唆している。