Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 9-94

28年間の追跡調査に基づく寒冷昇圧試験の高血圧発症に対する予測力

笠置文善,赤星正純,嶋岡勝太郎
Hiroshima J Med Sci 43(3):93-103, 1994
要 約
高血圧発症を予測しようという目的で幾つかのストレス試験が試みられてきた。しかしながら、これらの試験が後年における高血圧発症の予測因子として有効かどうかについては一定の結論が得られていない。

本研究の目的は、初回検査時に安静時血圧が正常域にあった824人(平均年齢:35.8±10.8歳)を対象とする28年間の追跡調査成績に基づいて、寒冷に対する血圧反応と安静時血圧の高血圧発症予測能力を検討することである。

これらの正常血圧者において、検査時年齢は、寒冷刺激に対する血圧反応を有意に決定する要因であり、加齢と共に高い反応が観察された。寒冷に対する血圧反応に有意な季節変動があり、寒冷昇圧試験を実施する時期の標準化の必要性が示唆された。

28年間の追跡期間中に343人に高血圧が発症し、平均発症率は1,000人年対24.6であった。到達年齢、安静時血圧、初回検査時のbody mass indexを補正すると、収縮期血圧反応、拡張期血圧反応ともに、将来の高血圧発症の予測因子として有意であった。しかしながら、安静時血圧と寒冷に対する血圧反応とを比較すると、寒冷昇圧試験は安静時血圧ほど高血圧発症予測因子として有効ではなかった。放射線被曝は、バックグランドリスクとしても、また血圧反応と高血圧発症との関連の修飾因子としても有意ではなかった。

今回の結果は、寒冷に対する血圧反応は高血圧を予測する上で安静時血圧を補完することを示唆している。