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放影研報告書(RR) 10-94

思春期における収縮期血圧と身体発育との関連

赤星正純, 早田みどり, Carter RL, 中島栄二, 嶋岡勝太郎, 瀬戸信二, 矢野捷介
Am J Epidemiol 144(1):51-8, 1996
要 約
思春期の血圧と身体発育の密接な関係は横断的研究および比較横断的研究の分野で確証されているが、思春期収縮期血圧(SBP)の全経過は縦断的研究において身体発育と関連づけて解明はなされていない。血圧(mmHg)、体重(kg)および身長(m)を、広島・長崎の 418人について10歳(1955年ないし1956年)から18歳(1963年ないし1964年)にかけて毎年測定した。この期間の体重増加速度(VEL)を求めるためにGompertz成長モデルを用いた。10−18歳のSBPとVEL、体重、身長、肥満度(BMI;体重/身長2、kg/m2)および測定が行われた年齢との関連について、ランダム係数成長曲線解析法を用いて個別に検討を行った。10−18歳のSBP経過は、広島の男性163人の場合、82.38+0.89×今回検査の 1.15年前のVEL(VEL(年齢−1.15))+1.40BMI、長崎の男性57人の場合、92.70+1.07VEL(年齢−1.15)+0.79BMI、広島の女性148人の場合、104.88+1.63VEL(年齢−1.15)+0.05BMI、長崎の女性50人の場合、113.62+1.67VEL(年齢−1.15)−0.59BMIの予測式で表わすことができた。今回検査の1.15年前のVELは両市の両方の性でSBPと有意に正の関連を認めた(<0.01)。現在のBMIは、広島の男性のSBPとは有意な関連が認められたが(<0.01)、長崎の男性のSBPとは関連性が示唆されたのみであり(=0.06)、女性のSBPとは両市ともに関連を認めなかった(それぞれ=0.84および=0.13)。VELは上に凸のカーブを描くため、男女共SBPもVELのピークから約1−2年後にピークに達し、以降は減少した。思春期SBPの全経過は、男性ではVELとBMIの計算式として、女性ではVELの計算式として表わすことが可能である。SBPは年齢と共に直線的には上昇しない。