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放影研報告書(RR) 11-94

チェルノブイル事故汚染地域に住む子供の甲状腺癌に見られた活性化RET癌遺伝子

伊藤 敬,瀬山敏雄,Iwamoto KS,水野照美,Tronko ND,Komissarenko IV,Cherstovoy ED,佐藤幸男,武市宣雄,土肥雪彦,秋山實利
Lancet 344:259, 1994
要 約
チェルノブイリ事故の汚染地域に住む子供に発生した甲状腺癌に関与する遺伝子変化を明らかにするため、癌抑制遺伝子p53、APC、MCCおよびRbの不活性化とRET癌遺伝子の活性化をパラフィン包埋組織に用いて検索した。癌抑制遺伝子の変化はポリメラーゼ鎖反応を用いたヘテロ接合性の消失(PCR-LOH)検出法により検索可能である。再配列によるRET癌遺伝子の活性化は逆転写PCR(RT-PCR)により検出できる。検索した全19症例の内、p53、APC、MCCおよびRb遺伝子に関してそれぞれ 12、18、13および7症例から情報が得られた。しかし、ヘテロ接合性の消失(LOH)は1症例でのみ見られた。この症例では p53遺伝子のLOHが乳頭腺癌の低分化巣で観察された。一方、RT-PCRで解析できた7症例中4症例においては再配列によるRET癌遺伝子の活性化が認められた。RET癌遺伝子の活性化は、チェルノブイリ事故の汚染地域に住む子供の甲状腺癌に特徴的な変化の一つであると考えられる。