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放影研報告書(RR) 17-94

原爆電離放射線胎内被曝に伴う脳発達障害に関する考察

吉丸博志,大竹正徳,Schull WJ,船本幸代
Int J Radiat Biol 67(3):359-71, 1995
要 約
発達中のヒトの脳に対して出生前の電離放射線被曝がどのような障害を及ぼすかということについては、依然としてその実態はほとんど分かっていない。ここでは2種類の神経筋肉系機能検査成績、すなわち、握力検査および反復運動検査に必要な細かい運動調節機能検査の成績と原爆放射線線量との関係について考察する。カテゴリー変数である市や性を加えて、幾つかの身体計測値やIQ値と胎内放射線被曝などの種々の共変量の影響を調べるために、多変量共分散分析を用いて検討した。精神遅滞者を含めた場合、握力検査および反復運動検査成績に関する放射線被曝の統計的に有意な影響は、排卵後8週から15週齢間に認められ、排卵後16週から25週齢では示唆的に有意な影響を認める。しかし、精神遅滞者を除いた場合、上述のいずれの週齢群についても2種類の検査成績に基づく胎内被曝に対する放射線被曝の影響は認められなかったが、IQ値の有意な低下が16週齢以上の被曝群に認められた。この16週齢以上の被曝群の予測標準成績、および精神遅滞者を除く15週齢以下群の放射線被曝に関連するIQ値の低下、小頭および軽度の精神遅滞の可能性を生物学的見地から考察する。