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放影研報告書(RR) 24-94

ヒトの生殖細胞におけるタンデムに反復した配列の遺伝的不安定性に原爆放射線は影響しない

小平美江子,佐藤千代子,檜山桂子,遠山杏子
Am J Hum Genet 57:1275-83, 1995
要 約
原爆放射線が生殖細胞での遺伝的不安定性に及ぼし得る影響を検出するための試行調査において、被曝群50家族の64人の子供と、対照群50家族の60人の子供について、6種類のミニサテライトプローブPc-1、λTM-18、ChdTC-15、pλg3、λMS-1、CEB-1を用いてサザンブロット解析を行い、ミニサテライト領域における突然変異の検索を行った。被曝群家族では、片方もしくは両方の親が 0.01シーベルト(Sv)以上の放射線に被曝している。被曝群家族の64人の子供のうち、両親ともに被曝者の子供は1人だけであった。つまり、64人の子供を産み出した128個の配偶子のうち、65個は被曝した親に、また63個は被曝していない親に由来しており、後者は、突然変異率算出に用いた183個の非被曝配偶子群に含まれている。65個の配偶子の親の平均生殖腺被曝線量は1.9Svであった。この検索の結果、pλg3、λMS-1、CEB-1の領域に合計28個の突然変異を検出した。Pc-1、λTM-18、ChdTC-15領域では突然変異は検出されなかった。被曝した親由来の65個の配偶子の390個の対立遺伝子に突然変異が6個検出された。一方、被曝していない親からの183個の配偶子では、1,098個の対立遺伝子に22個の突然変異が検出された。これらの六つのミニサテライト領域における配偶子当たり遺伝子座当たりの平均突然変異率は、被曝した親で1.5%、被曝していない親で2%であった。被曝した親の子供と被曝していない親の子供に観察された生殖細胞突然変異率の間に統計的有意差は認められなかった(P=.37, Fisher's exact probability test)。