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放影研報告書(RR) 13-95

閾値モデルに基づいた原爆被爆者の白内障と重度脱毛の発現

大竹正徳, 錬石和男, Schull WJ
Radiat Res 146:339-48, 1996
要 約
脱毛の程度とDS86被曝線量が把握されている原爆被爆者1,742人について、1963−1964年に確認された白内障の発現率と放射線被曝線量との関係を再検討した報告である。対象被爆者1,742人中、67人に白内障が見られた。一つは脱毛群に対して、他の一つは非脱毛群に対する二つの閾値を含む相対リスクモデルに二項オッズ回帰法を用いて、中性子の生物学的効果比を一定値の10と仮定したデータに当てはめた。これらのモデルのうち、二つの閾値を含む線形-線形(L-L)線量反応関係が最良の適合度を示した。脱毛群と非脱毛群に対してDS86による眼の臓器線量に基づいたL-L線量反応関係閾値モデルで、脱毛群の回帰の勾配の推定値の大きさは非脱毛群よりも1.6−2.0倍大きかった。しかし、二つの勾配の推定値間には統計学的な差は認められなかった。脱毛群の 0.86シーベルト(Sv)の推定閾値と非脱毛群の 1.54Svの推定閾値間には統計学的な有意差はなかった。二つの閾値を含むL-L相対リスクモデルに35%誤差線量を仮定したデータを当てはめた場合、または、DS86推定線量で最も信頼できると考えられている爆心地から 2,500m以内の日本家屋での被爆者である 1,105人のデータに制限した場合、その結果は、補正しないDS86の眼の臓器線量を用いた対象者の結果とほとんど同じであった。