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放影研報告書(RR) 14-95

高線量原爆被爆者由来培養皮膚線維芽細胞の永久増殖株化

本田武夫, 貞森直樹, 押村光雄, 堀川 泉, 大村 宏, 小松賢志, 渡辺正己
Mutat Res 354:15-26, 1996
要 約
高線量原爆被爆者(女性、76歳、5.14Gy)に由来する健常皮膚線維芽細胞を、4年余の長期間培養し続け、二つの線維芽様不死化細胞株を樹立した。この二つの細胞株FM-U、FM-Mは、同じマーカー染色体t(5q−;6p+)を持っているが、前者が低2倍性(39−43)、後者は高3倍性(69−76)と核型的に大きく異なっている。現在までに、二つの細胞株は継代数が117と156、累積集団倍化数もそれぞれ230と310を超えている。また、継代には前者が4−6日、後者は3−4日を要するに過ぎない。永久増殖能を獲得する過程において、telomere、interstitial telomere間の癒合に起因すると考えられる多様な染色体の連続的な再配列が、telomereの短縮に続いて、特に、老化期や老化克服後の細胞に顕著に観察された。また、興味あることは、p53遺伝子のLOH(loss of heterozygosity)がいずれの不死化細胞株においても証明されたのに加え、そのLOHの対立遺伝子型が相互に異なっていることも示された。更に、これらの株化細胞集団においては、無限増殖性の証拠を示唆するtelomereの伸長と、二動原体染色体を持つ細胞の著しい減少が認められた。