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放影研報告書(RR) 15-95

SCIDマウス骨髄細胞に見られたIgH遺伝子における正常なD-JH組み換え産物

荒木良子, 伊藤正博, 濱谷清裕, 安倍真澄
Int Immunol 8(7):1045-53, 1996
要 約
SCIDマウスは、B細胞およびT細胞の発生過程においてV(D)J組み換えを起こすことができないため、重度の免疫不全を生じている。しかし、最近、SCIDマウスの胸腺細胞内のTCRδ鎖遺伝子座およびγ鎖遺伝子座において正常な再配列が高頻度で起こっていることが明らかになった。我々は、SCIDマウスの正常な遺伝子の再配列がT細胞特有の現象かどうかを知るために骨髄細胞におけるIgH遺伝子のDQ52−JH2およびDFL16.1−JH2の再配列セグメントを直接PCR法にてクローニングした。その後、構造解析を行った結果、多数のクローンで正常なV(D)J組み換えを形成していることが明らかになった。量的サザン・ハイブリダイゼーションにより、SCIDマウスの骨髄細胞に存在する正常なDQ52−JH2結合量は、正常骨髄細胞のそれの4−7%に等しいことが分かった。SCIDマウスと正常マウスのD−JH組み換えにおいてヌクレオチドの挿入頻度に差が認められた。D−JH組み換えにおいて、正常マウスではヌクレオチドの挿入が高頻度に観察されるのに対し、SCIDマウスではあまり見られなかった。更に、いくつかの正常組み換えクローンでは、組み換えが短い相同性のある領域で生じていた。SCIDマウスのT細胞発生過程中、TCR遺伝子の組み換えが起こるのと同様に、これらの結果は、SCIDマウスのB細胞発生過程の初期の時点でIgHのV(D)J組み換えが正常に起こることを示唆している。更に、SCIDマウスの骨髄細胞から分離された組み換え産物におけるこれらの特徴は、漏出SCIDマウスの組み換え産物の特徴に酷似していた。