Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 1-96

胎内被爆者における放射線関連重度精神遅滞の閾値:再解析

大竹正徳, Schull WJ, Lee S
Int J Radiat Biol 70(6):755-63, 1996
要 約
電離放射線被曝の発達中のヒトの脳への有害な影響が排卵後(受胎後)8−25週齢の被爆者に認められる。このような影響は特に感受性の高い排卵後8−15週齢群において、重度精神遅滞の頻度増加という形で極めてドラマチックに表れる。しかし、重度精神遅滞の症例分布は低線量域における閾値の存在を示唆する。排卵後8−15週齢の被爆者の閾値の95%下限推定値は前回の報告書(1987年)で用いた単純線形回帰モデルではゼロで、指数線形回帰モデルでは0.15Gyであったが、線量が分かった21正常例を追加したデータに基づいた閾値の95%下限は指数線形回帰モデルから得られる最大尤度を用いると 0.05Gyのようである。後者のモデルは、二値データに適用した五つのモデルのうち、推定値の安定性や妥当性から見て最も適合度がよいということから選ばれた。排卵後8−15週齢の19の精神遅滞症例から放射線に無関係と考えられるダウン症候群の2症例を除いた場合、1987年に用いた指数線形回帰モデルによると閾値の95%下限推定値は 0.15−0.25Gyの範囲であるが、今回適用した最適モデルによるとその範囲は 0.06−0.31Gyである。同じモデルによる排卵後 16−25週齢の被爆者についての閾値の95%下限推定値は、放射線に無関係と思われる精神遅滞の2症例―精神遅滞の同胞がおり、家系性と思われる症例と、4歳時に日本脳炎B型にかかった感染症例―を含めても含めなくても0.25Gyから0.28Gyに変動した。