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放影研報告書(RR) 3-96

原爆被爆者における子宮筋腫有病率の超音波検査による検討法

河村幸子,笠置文善,児玉和紀,藤原佐枝子,山田美智子,大濱紘三,伊藤勝陽
Radiat Res 147:753-8, 1997
要 約
原爆被爆の後障害として良性腫瘍がいくつかの臓器において認識されてきているが、子宮については最近ようやく認められるようになってきた。しかし、放影研 成人健康調査報告書第7報 (Wong et al, Radiat Res 135:418-30, 1993)で報告された子宮筋腫発生率の増加は、自己申告による情報と希望者の婦人科検診や超音波検査に基づいているため、線量に伴うバイアスの可能性について強い懸念が示された。そこで、このようなバイアスとなる可能性のある因子を除去し、子宮筋腫有病率と子宮線量の関係を検討する目的で、1991年12月から1993年12月までの健診の受診者すべてに、単一の診断方法として超音波検査を受けるよう要請した。広島で登録されている2,506人の受診者のうち、超音波検査で子宮が観察可能であった 1,190人中238人に子宮結節が見られた。子宮線量はDS86組織線量を用いた。multiple logistic analysisにより子宮結節有病率と子宮線量の間に有意の関係が認められた。オッズ比は 1Gyあたり 1.61であった(95%信頼区間:1.12−2.31)。膀胱充満度、子宮容量、年齢、閉経状況を補正後得られた有意の関係は線量に伴うバイアスに起因しているとは考えにくい。これらの所見は、放射線被曝が子宮筋腫と関係する一因子であるというこれまでの放影研の研究結果を支持し、更なる証拠となるものである。