Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 4-96

安定型染色体異常頻度によるリスク評価のための生物学的被曝線量推定における統計学的問題

Cologne JB, Pawel DJ, Preston DL
Health Phys 75:518-29, 1998
要 約
大規模な核災害を経験した集団の疫学的リスクを評価する上で,また放射線作業従事者の物理学的線量推定を検証する上で生物学的線量推定は有益である。この推定法を適用するには,生物学的線量推定値の不確実性の程度を把握することと,その使用から生じ得る統計的問題を理解することが必要である。本報では生物学的線量推定法の統計的側面全般について述べ,安定型染色体異常頻度を用いたリスク評価の線量推定における具体例について詳細な解析を示す。生物学的線量推定値は線量反応曲線から得られるかもしれない。しかし,負の推定値が得られる可能性があり,その推定値が回帰分析で使われる場合には,推定の不確実性のため回帰上の偏りについて補正が必要である。事後平均推定値は,生物学的指標の特定の値に対応する真の線量分布の平均として得られ,いくつかの望ましい特性がある。その特性とは,推定値が非負であり,真の線量分布の極端な歪みに左右されにくく,回帰上の偏りを防ぐよう間接的に補正されていることである。この方法では,生物学的線量推定法を適用する集団の真の線量分布を近似する必要があり,そのためには他の情報を用いてこの分布を慎重に検討しなければならない。生物学的線量推定の多くの応用において真の線量分布の特徴づけはうまく行われない。それゆえに考慮すべき重要な点は,この線量分布の誤った特定化にこの方法がどの程度ロバストであるかということである。我々の所見は,安定型染色体異常頻度のみに基づく線量推定は集団に基づくリスク評価には有用であることを示唆している。