Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 9-96

高線量原爆被爆生存者集団におけるHLA-DQA1対立遺伝子と DR抗原のタイプの頻度における偏りの検討

林 奉権,楠 洋一郎,瀬山敏雄,平井裕子,京泉誠之,秋山實利,中村 典,RR Delongchamp,藤田正一郎,児玉和紀
Health Phys 73(5):779-86, 1997
要 約
ヒト主要組織適合抗原(HLA)のある特定の対立遺伝子と疾患の有病率、あるいはある特定の抗原に対する免疫応答能との関連について現在までにいくつかの報告がなされてきた。さらに、放影研の過去の研究において高線量原爆被爆生存者の免疫機能の低下が示されている。しかしながら、放射線による免疫機能の低下がHLAタイプと関係しているという可能性についての研究はなされていない。広島原爆被爆生存者においてHLAタイプの頻度分布が異なっている可能性を調べるため、高線量被爆者(1.5 Gyを超える)291人、中等度線量被爆者(0.005−1.5 Gy)339人、遠距離被爆対照群(0.005 Gy未満) 388人について、HLA-DQA1対立遺伝子とHLA-DR抗原のタイプを調べた。これらの線量は少量の中性子を含むガンマー線の全身被曝である。対象者をHLA-DQA1対立遺伝子またはHLA-DR抗原の遺伝子型の組み合わせによって分類した場合には、性別でも線量別でも頻度の分布に有意な差は認められなかった。しかしながら、対象者を個々のHLA-DQA1対立遺伝子またはHLA-DR抗原の有無に関して分類すると、少なくとも、二つのHLA-DQA1遺伝子座の一つにDQA1*0103を有する男性の頻度は被曝線量の増加と共に減少していた。これらの結果は、男性被爆者集団にHLAの多型性について偏りがあるかもしれないことを示唆しているが、その偏りはがんリスク推定に影響を及ぼすほど大きいとは思えない。