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放影研報告書(RR) 2-97

生体内T細胞受容体突然変異研究のためのマウスモデルの開発

梅木繁子, 鈴木隆子, 楠 洋一郎, 瀬山敏雄, 藤田正一郎, 京泉誠之
Mutat Res 393:37-46, 1997
要 約
マウスCD4+Tリンパ球における生体内のT細胞抗原受容体 αβ(TCR)遺伝子突然変異を研究するために実験系が樹立された。CD34+の表面形質を持つTCR欠損突然変異T細胞の頻度がナイロンウール通過脾臓T細胞の2色フローサイトメトリーを用いて測定された。BALB/cマウスの自然誘発TCR突然変異体頻度(MF)(2.3×10-4)はC57BL/6マウス(4.0×10-4)や C3H/Heマウス(4.2×10-4)よりも有意に低かった。TCR MFの一般的変化は、X線全身照射後3日目に上昇しはじめ、2−3週後にピークレベルに達し、その後、約2週間を半減期としてゆるやかに減少した。各系統のマウスにおいてX線照射2週間後の線量反応がどのように異なるかを解析するために、TCR MFの線量反応を線型二次または二次曲線に適合させた。BALB/cマウスの両モデルにおける二次項の係数は他の2系統のそれらよりも有意に大きかった。これらの知見は何らかの遺伝的要因が体細胞遺伝子の自然誘発および放射線誘発突然変異に対する感受性を統御している可能性を示唆している。生体内TCR突然変異の動物モデルの樹立は、ヒトにおけるTCR突然変異についての未解明の側面を解決することに貢献し、また環境変異原物質のスクリーニングに関する知見をさらに促進するであろう。