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放影研報告書(RR) 9-97

象牙質のアルカリ変性−電子スピン共鳴による線量測定のためのヒト歯エナメル質の簡便分離法

中村 典、宮澤忠蔵
J Radiat Res (Tokyo) 38:173-7, 1997
要 約
歯エナメル質における電子スピン共鳴(ESR)は、最近になって開発された技法で、ヒトにおける過去の放射線被曝線量の評価ができる。この方法では、エナメル質を象牙質から分離することが必要である。しかしこれは、エナメル質と象牙質の境界が明瞭でないため、容易ではない。今回、著者らはアルカリ処理により象牙質を変性させてエナメル質を分離する簡便な方法を開発したので報告する。このアルカリ法は処理に4週間を必要とするが、1週間に1度、変性して軟らかくなった象牙質を削り落とすだけで十分であり、何よりも習熟を必要としない。分離前に受けた2Gyのガンマ線照射によるESR信号はこのアルカリ処理によって低下することはなかった。この方法は、抜去後長期間保管された結果、小片にくずれやすくなっていて機械的な分離が困難な歯の場合に特に利用価値が高い。