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放影研報告書(RR) 10-97

原爆被爆者における皮膚がんリスクについて

Ron E, Preston DL , 岸川正大, 小武家俊博, 井関充及, 徳岡昭治, 徳永正義, 馬淵清彦
Cancer Causes and Control 9:393-401, 1998
要 約
目的 高線量電離放射線により皮膚がんのリスクが上昇することはかなり前から知られている。原爆被爆者に関する最近の報告は,低線量から中程度の線量によって黒色腫以外の皮膚がんが誘発され得ることを指摘している。皮膚がんの特定の組織型に対する放射線の影響を探り,線量反応関係を究明するために原爆被爆者を対象に調査した。

方法 他の記録を調査することにより拡大した集団を基盤とする広島・長崎の腫瘍登録を通して,1958年から1987年まで対象者80,000人について黒色腫,黒色腫以外の皮膚がん,ボーエン病を確認した。

結果 基底細胞癌(n = 80)の過剰が原爆被爆者に観察され,非線形の線量反応が示唆されたが,被爆年齢が高くなるにつれ過剰リスクは著しく減少した。電離放射線と紫外線の相互作用は認められなかった。扁平上皮癌(n = 69)に関しては線量反応は認められなかった。その過剰リスク点推定値は大きいが,黒色腫(n = 10)もボーエン病(n = 26)も統計的には有意でなかった。

結論 表皮の基底層は,特に若年において放射線発がんの感受性が極めて強いようである。また扁平上皮癌の関与を欠くことによって示されるように,基底上層の方が抵抗力が強いようである。