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放影研報告書(RR) 3-99

日本人女性におけるエストラジオールと乳がんの関連についての前向き疫学研究

兜 眞徳, 秋葉澄伯, Stevens RG, 錬石和男, Land CE
Cancer Epidemiol Biomark Prev 9:575-9, 2000
要 約
循環エストロゲン値の増加は、女性の乳がんの発生において重要な役割を果たすことが数十年にわたり疑われてきた。これは、早い初経と遅い閉経(どちらも生涯におけるエストロゲンに曝される期間が長くなる)がリスクの増加に関連するという観察などの間接的証拠に基づいている。しかし、説得力のある直接的証拠は最近までなかった。この数年間の米国および英国で行われた幾つかのコホート研究で、乳がん症例における疾患発生前のエストラジオールが、がんではない人に比べて有意に高いということが示された。

日本人原爆被爆者コホートの疾患発生前の血清エストラジオールと乳がんの晩発リスクについて、ネステッド症例−対照調査を行った。広島、長崎の放影研寿命調査コホートにおいて、1973年から1983年の間に乳がんと診断された72人の女性を確認した。乳がん症例と年齢、採血日、被曝、放射線量、都市についてマッチさせた乳がんと診断されなかった150人の女性を選んだ。全対象者の保存血清試料についてSHBG、総E2、生物学的効力を有するE2、DHEA-s、およびプロラクチンを測定した。マッチした症例−対照比較について条件付ロジスティック回帰を行った。

生物学的効力を有するE2の自然対数に対するオッズ比は、全体で2.2(95%信頼区間:1.02-5.3)、閉経前の血清では2.3(0.55-6.8)、閉経後の血清では2.1(0.55-9.7)であった。生物学的効力を有するE2の5等分カテゴリーについて、最低濃度を参照カテゴリーとして求めた推定オッズ比は、1.00、1.89、1.43、3.45及び3.37(傾向性検定におけるp値 = 0.035)であった。 これらの結果は、生物学的効力を有するエストラジオールの上昇が女性の乳がんのリスクを増加させるという仮説を支持し、海外で最近行われたコホート調査とも一致する。