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放影研報告書(RR) 4-99

EPRによるロシア核施設作業者の線量再構成

Romanyukha AA, Ignatiev EA, Vasilenko EK, Drozhko EG, Wieser A, Jacob P, Keirim-Markus IB, Kleschenko ED, 中村 典, 宮澤忠蔵
Health Phys 78(1):15-20, 2000
要 約
この論文は、歯エナメル質を用いた電子スピン共鳴法(EPR)による線量再構成技術の精度を明らかにする目的で行われた初の国際的相互評価結果に関するものである。放射線被曝記録の存在するマヤック核施設作業者から提供された合計24本の歯のそれぞれを2分割し、この研究に参加した4研究施設のうち少なくとも2施設において各歯についての測定を行った。最もよい一致を示した2施設の場合、各歯に関する一対のEPR測定結果の平均差(± SD)は、0.02 ± 0.15 Gyであった。マヤック作業者はその作業歴により2群に分類できる。最近の作業者(1961年以降)の公式線量情報は信頼がおけるが、それ以前の作業者の場合は被曝が主として1961年以前であったので線量情報の信頼性は低いという特徴がある。その理由は、1954年まではフィルムバッジにフィルターが装着されていなかったからである。こうした早期の被曝線量は非常に高く、5Gyにも及ぶ。EPR測定結果と、フィルムバッジによる公式線量から計算して求めた歯の線量とを比較したところ、最近の作業者の場合には大変よい一致が見られた。しかし、それ以前の作業者の場合には公式線量がEPR推定線量よりもやや高いように思われた。以上の結果は、公式線量が高線量被曝者においていくらか過大評価されている可能性を示唆している。従って、高線量被曝者群に基づくがんリスクは少し過小評価される傾向にあるかもしれない。